フライトコントローラのファームウェアで最も利用されている Betaflight の 新バージョン 4.1.0 (RC版)を使用してみました。気が付いたところを紹介したいと思います。
Betaflight 4.1.0 を使用するには
この記事作成時では正式版がまだリリースされていないのでRC版を対象に説明します。来週には正式版もリリース予定なので記事内容はほとんど変わらないと思います。
Betaflight Configurator 10.6.0 のダウンロード
Betaflight 4.0 からの変更に対応するために設定ソフトである、Betaflight Configurator も対応するものが必要です。以前はChromeの拡張機能版しかありませんでしたが、スタンドアローン版もダウンロードできるようになりました。以下のリリースページからダウンロードできます。
ダウンロード先が見つからない時は下図の、Assets と書いてある左の矢印をクリックしてください。ダウンロードリストが展開表示されます。
私はWindowsを使用しているので、betaflight-configurator-installer_10.6.0-RC1_win32.exe をダウンロードしました。
Betaflight Configurator 10.6.0 の インストール
ここではWindows版で話を進めます。ダウンロードしたセットアップファイル、betaflight-configurator-installer_10.6.0-RC1_win32.exe を起動して「次へ」「同意する」「インストール」とクリックしていくだけです。
ここで注意、以前使用していた Configurator も使用する必要があるなら、インストール先を変更しないと上書きされてしまいます。「インストール先を選択してください。」のダイアログになったら、新たにインストールするフォルダを選択します。このとき選択するフォルダは、以前のConfiguratorがインストールしてある、
C:\Program Files (x86)\Betaflight\Betaflight-Configurator
ではなく、
C:\Program Files (x86)\Betaflight10_6_0\Betaflight-Configurator
のようにBetaflightフォルダの代わりに、別の名前のフォルダを作って(赤字部分)指定します。変更するのは最後の Betaflight-Configurator フォルダではなく、その上のフォルダになります。
Betaflight 4.1.0 へ更新する
Betaflight Configurator を起動します。「ファームフラッシャー」タブを開きます。RC版を使用するには「未検証版リリースを表示」を有効にします。一番上のプルダウンメニューから「リリースおよびRCバージョン」を選択します。更新するFCのターゲットネームを選択します。
上の図では EXF722DUAL を選択しました。おや?その下に同じ名前で(レガシー)と付いている物があります。 ターゲットが2つありますね。これはBetaflight 4.0 から採用された統合ターゲット( Unified Targets )を採用したファームウェアと、以前の方式のファームウェアになります。(レガシー)が付いている物が以前の物になります。
統合ターゲットは各メーカーのFCに依存しないBetaflightのコアな部分と、FCごとに違うリソース情報などを分離した物です。こうすることによって、各FCに依存する部分だけ用意すれば動作するようになり、新しいFCが発売されても比較的早く対応できるようになる。そうです。
さて、レガシーじゃない統合ターゲットの方を選択しました。その下のバージョン選択では記事作成時点の最新バージョン、4.1.0-RC5-26-09-2019 09:33 を選択したのでこれで書き込んでみます。
無事書き込みが終わりました。FCの再起動を待って右上の「接続」をクリックして接続します。
おや?なんか出てきました。まだ日本語になっていませんので翻訳すると、
このボードにはカスタムのデフォルトが用意されています。 通常、カスタムデフォルトが適用されない限り、ボードは正しく機能しません。 このボードにカスタムデフォルトを適用しますか? [カスタムデフォルトを適用する] [お断りします]
となります。ここで言うカスタムデフォルトがFCごとに依存する部分の初期設定になります。試しにキャンセルをクリックしてみました。ダイアログが消えました。ポートタブを開くと、
あらー、ポートが1つもありません!
FCのリソースが分からないので表示されないのですね。このままでは使用できませんので改めてファームウェアを焼き直しして、再接続。先ほどのダイアログで、「Apply Custom Defaults」をクリックしました。すぐ適用されFCが再起動しますので接続します。ポートタブを見ると、ありました。今まで通りの各ポートがありました。これで設定が出来るようになりました。
なお(レガシー)ファームウェアを書き込めば今まで通りに使用できます。しかし、統合ターゲット導入の目的からすれば、いずれレガシーターゲットは提供されなくなると思います。
いままでの設定をコピーする
リリースノートには「ファームウェアの以前のバージョンからチューニング構成を貼り付けないでください。いくつかのデフォルトが変更され、いくつかのパラメーターがさまざまな方法で使用されるため、以前のチューニング設定はBetaflight 4.1ではうまく機能しません。」とあります。
ということで、4.0や3.5以前のCLI出力をまるまる貼り付けて設定することができません。バージョンに関係なさそうなところは出来るのかな?私は「モード」に関係する部分とレシーバーのレンジ調整の部分だけ貼り付けてみましたら問題ありませんでした。その他は初めから設定し直しました。
PIDとフィルターはデフォルトを推薦
Betaflight 4.0 は「月まで飛んでいく」問題がありましたが、4.1 ではデフォルトのフィルターとPIDを大幅に改善されています。まずデフォルトのままで始めるように記載があります。
コミュニティプリセットも使用せず試してみてください。Configurator 10.6.0 の PID&フィルタータブで導入された調整スライダーはコミュニティプリセットを入力すると使用できなくなります。言い方を変えるとPID値を手動で変更すると調整スライダーが使用できなくなります。
次回は Betaflight 4.1.0 の機能を詳しく見ていきたいと思います。