フライトコントローラのファームウェアで最も利用されている Betaflight の 新バージョン 4.1.0 (RC版)を使用してみました。その1では使用できるまでをご紹介しましたが、前回より変わったところをピックアップしてみていきます。
Betaflight 4.1.0 で新しくなったこと
統合ターゲット
前回の「 Betaflight 4.1.0 を使用してみる その1」でご紹介したように、統合ターゲットが Configurator で扱えるようになりました。現時点ではこれのメリットを感じることは無いと思いますが、何が違うかくらいは知っておいてもいいでしょう。
RPMフィルターが Configurator で簡単に使用できるようになった
RPMフィルター自体は 4.0 からの機能ですが、CLIで設定していたものが Configurator で簡単に使用できるようになりました。
RPMフィルター は、FC と ESC が DSHOTテレメトリーを使用して通信する、双方向DSHOTの機能を使用したもので、モーターのノイズを大幅に低減します。折れ曲がったプロペラの影響まで低減するらしいです。
簡単にRPMフィルターが使用できるようになったといってもESCが対応していないと使用できません。BLHeli_32のESCはファームウェアを更新することで使用できます。BLHeli-S の場合はJESCというファームウェアを必要としますが有料です。使用するモーターの数だけライセンスを購入しなくてはいけません。また、ESCのファームウェアは Betaflight 4.0 と 4.1 では違いますのでそれぞれ対応するファームウェアを書き込む必要があります。
対応しているESCをお持ちなら、ファームウェアを更新して Betaflight Configurator で ON にするだけです。
モータープロトコルが DSHOT になってるのを確認して、双方向DShot をONにします。モーターの極数が違う場合は正しい数値にします。モーターベルの内側に貼り付けてある磁石の数の事で、モーターの仕様にConfiguration: 12N14P のように記載されています。
ローパスフィルターの設定が変更された
前バージョンの4.0 は「月まで飛んでいく」問題がありましたが、4.1 ではフィルター設定が変更され、デフォルト設定だけでも十分実用できるようになりました。
デフォルト設定で飛行してみてモーターがほんのりと温かいだけなら、さらにローパスフィルターを高めにしてみることも出来ます。高くなると遅延が少なくなりプロップウォッシュも低くなります。これは Configuratorの 調整スライダーを少し動かすだけです。
VTXテーブルの導入
FCからVTXを制御する際に、VTXで使用できる周波数やパワーを設定として保存しておき国や地方で異なる規制に対応できるようになった。これはどういうことかというと、例えば日本では5.8GHzのアマチュア無線ライセンスで使用できる周波数は、一般的に使用されている規格の中で7波しかありませんが、その7波だけを登録するとそれ以外の周波数には変更できなくなるものです。
いままでの40CHのVTXだと下図のようなバンドとチャンネルになると思います。
それをここでは日本専用に変更してみます。
初めに下部の「VTXテーブル」の設定をします。上図では、1行目でバンド数を 1 、バンド別チャンネル数を 7 に設定しました。2行目ではそのバンドの名称を JBAND に設定。OSDに表示される略称は J として、日本で使用できる7周波数を入力しました。さらにその下部ではVTXのパワー数に応じて、値(VTXへ送信される)、ラベル(OSDに表示される3文字)を設定しました。ラベルはLOW、MID、HIG のような表示でもOKです。
その後上部のモード選択でVTXテーブルから使用するバンドとチャンネルおよび送信出力を選択します。「ディスアーム時 最小送信出力」をONにしておくと、アームしてない時は最小出力なって電力消費と発熱を抑えることができます。アームすると設定した送信出力に切り替わります。
OSD画面にVTXの表示をすると、J:1:200 のように表示されます。
上記の設定をファイルに保存した物を置いておきます。Configuratorの「ファイルからロード」ボタンから読み込むことができます。読み込み後に使用するVTXに合わせて送信出力のテーブルを変更します。
BTFL_vtxtable_JBAND.json 右クリックして「名前を付けてリンク先を保存」して下さい。
その他の変更
フィードフォワードが変更されより滑らかなRC制御が出来るようになった。
ダイナミックアイドルの導入(双方向DSHOT必要)
フィルターと同じくPID調整も調整スライダーにより簡素化された。(今まで通り直接数値変更も可能)
Betaflight Configurator の変更点
- PID、フィルター用の調整スライダー導入。
- CLIのコマンド入力欄でオートコンプリートを導入。
- ダークテーマが使用するように。
- 実際の測定値から電圧と電流値のキャリブレーションができる。
- その他デザインや配置の変更が多数あります。
いかがでしたか?ここに紹介できなかったことはWikiで読むことができます。機械翻訳で読んでみましょう。
Betaflight 4.1.0 は 4.0 からするとずいぶんと信頼できるものになったようです。RPMフィルターが使用できるときはぜひとも使用してみてください。