1Sバッテリーの Mobula6 が遂に FHD録画に対応し、マイクロドローンによるシネマティックビデオの撮影がぐーんと身近になってきました。前回の記事 Part1 では機体の詳細や設定を見てみました。今回はいよいよフライト編です。
前回の記事はコチラからご覧になれます。
事前準備
フライトにあったっていくつかの設定変更をしました。
カメラ角度の変更
デフォルトではカメラのチルト角が40度以上とけっこう上を向いています。スピードを出すならこの角度でもいいのですが、ゆっくりとフライトさせようとすると、FPV画面のかなり下の方に水平線が来るようにしないとついスピードが出てしまいます。せっかくFHD動画が撮れるのだからゆっくりと撮影したいと思いもう少しカメラの角度を小さくしました。設定した角度は約20度くらいです。
前回の記事のように、カメラの角度変更は両側のネジをゆるめて簡単に行えます。
エアモードを選択式に変更
エアモード はスロットルを最小に下げてもプロペラを停止せず、一定の回転数で回転させ続ける機能です。
たとえばフリースタイルのループ等で、上空で背面になった時スロットルが上がったままでは急激に下方向に加速して落ちてきてしまいます。したがって通常はスロットルを最小にします。そして機体が再び上を向き始めたらスロットルを上げていきます。この時、スロットル最小でプロペラが停止していると、再び高回転になるのにワンテンポ遅れる事があります。なのでスロットル最小でも完全にプロペラの回転を止めないようにしておくと、再びスロットルを上げたときに回転数が上がりやすくなります。
しかし、室内などでゆっくり・じっくりと撮影したい時は宙返りなんてしませんから、エアモードは不要です。
エアモード(AIRMODE)は「モード」設定でAUXスイッチに割り当てて、使用する時としない時で選択できるようにしました。
なお「基本設定」でAIRMODEのチェックを外さないと「モード」タブに表示されません。
レートとスロットルカーブ
Betaflight の設定でレートを変更しました。こんな感じです。屋外でフリースタイルも出来るようにしました。
室内でゆっくりフライトが多いなら、Super Rate をもう少し下げてもいいでしょう。
室内でホバリングさせてみたところ、スロットルを 60%以上に上げないといけませんでした。やっぱりかなり重いんですねw
そのため送信機(Jumper T16)でスロットルカーブを作成して適用しました。
スティックが中央付近でホバリングできる感じです。またその付近をスティックに対するスロットルの変化を少なくするために、カーブを寝かせて緩やかにしています。少々スティックさばきが雑になってしまっても、上下にフラフラしたフライトにならないようにです。
フライト
どうしても小さなWhoopだといろいろな隙間をくぐりたくなってしまいます。失敗してコツンと当ててしまっても、ダクトに守られているので被害も無いか最小ですので余計ですw
カメラの角度を20度くらいにしたのでダクトの一部が写っています。
公園でのフライトです。フライトモードはアングルモード。
こちらは付属の 1Sバッテリー 250mAh HV で、離陸からバッテリー電圧低下でブラックアウトするまでです。
フライトしてみて
バッテリー電圧
バッテリー電圧が3.0Vになるとそこから急に下がります。そしてFPV映像のカメラからの映像がブラックアウトします。(OSDは表示されている。)映像は見えませんがまだ飛んでいますので、すぐに着陸させました。
ノーマルMobula6ではバッテリー電圧が2.9Vを下回ると、設定がリセットされてしまう現象がありましたが、このHDバージョンでは今までリセット現象は起こっていません。
Betaflight の 電源・バッテリー設定で、「警告電圧」、「最低電圧」とも少し上げて、早めに戻したほうがよさそうです。ブザーが付いていないので、離れたところに不時着させると探すのが大変になるので・・・
内蔵SPIレシーバー
今回は遠くても80mほどしか離れていませんがバインド切れが起きることはありませんでした。
しかし、ノーマルMobula6ではBetaflightのバージョンを上げたり、ESCのファームウエアを48KHz版などにした時に近距離でもバインド切れが起きてしまう事もありました。しかもそれが自然に直ったりして、本当に訳が分からん現象に悩まされたこともあるので、今後の設定次第で変わってくるかもしれません。
一つだけ言えることは、レシーバーのアンテナは真っすぐ伸ばしておくって事です。曲がったままだと受信性能は落ちます。
しかし、この機種は下面に突き出ているので曲がらないように離陸台が必要かも・・・
飛びっぷり
少々重たいですがそれなりに飛びます。もっとスピードを出してフリースタイルをしたい時は2S仕様の Beta65X HD に任せて、この機種は手軽に室内などでシネマティックに撮影するのに適しているんじゃないでしょうか。
飛ばしていてすごく楽しかったです。コントロールもしやすかったので誰でもよい映像が撮影できそうな感じです。
事前にスロットルカーブを設定したおかげでさらに飛ばしやすかったです。アングルモードだけなら、もっとレートを下げるとさらに滑らかに飛ばせそうですね。
ホバリングのスロット位置が60%以上なので、離陸するときはサッとスロットルを上げないと、Betaflight の暴走離陸防止機能が働くことがあります。モーターの低速時の回転に差があるので、その差のせいで機体が変に動いたりすると、Betaflight が正常じゃないと判断して離陸を中止させます。よくモーターを交換したら回転方向が違っていたり、プロペラが逆だったりした時のアレですw
ちなみにパワーループや、スプリットSの後半のリカバリーでスロットルを急に戻すとYawウォッシュアウトが発生します。ウォッシュアウト自体は Eachine UZ65(こちらの記事参照)よりも穏やかです。もはやこれはマイクロWhoop機に付きものみたいですね。。。
まとめ
ホイールベース65mmのWhoopで、手軽な1Sバッテリーでフルハイビジョンの動画が撮影できるのは凄く魅力です。小さくて静かなので室内を初め、どこでも飛ばせれる感じです。
マイクロドローンでの撮影の醍醐味を存分に味わえるような機体です。心配された初代のノーマルMobula6にあった懸念事項も解消されているようで、ぜひ持っていたい機体ですね。
この機種も超オススメです!
もう1台買っておきたいです。
次は4Kカメラが搭載されるようになるのでしょうか?なにか期待させられます。