ポータブルはんだごてTS80Pは、フライト現場での修理はもちろん、自宅や職場で機体のビルドでも活躍できる優れたツールです。その実力は前回のレビューの通りですが、ファームウェアをオープンソースの物(カスタムファームウェア)にするとさらにパワーアップできるのです。
今回はTS80Pにカスタムファームウェアを導入してみました。
前回のレビュー記事はこちら
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カスタムファームウェアの導入
ポータブルはんだごてTS80Pにカスタムファームウェアを導入していきます。なお、もしカスタムファームウェアが気に入らなかったら元のメーカー製のファームウェアにも簡単に戻すことができます。
カスタムファームウェアをダウンロードする
かカスタムファームウェアは以下のサイトからダウンロードします。
ページの上にあるものが一番最新のファームウェアですので、そこから機種名のZIPファイルをダウンロードします。
ダウンロードしたファイルを解凍すると各言語別にファームウェアがあります。今回は日本語用のファームウェアファイルである、TS80P_JA_JP.hex を使用します。
ファームウェアの書き込み
ファームウェアをTS80Pに書き込むのは簡単です。前回ファームウェアをアップデートした時と同じ方法です。
こて先側のボタンを押したままUSBケーブルでパソコンと接続します。そうするとDFUモードになり、パソコンからはUSBドライブとして表示されますので、そこにダウンロードしたファームウェアファイルをドラッグアンドドロップします。
すると瞬時にTS80Pが再起動し、ファームウェアファイルの拡張子が、hex から rdy に変更されています。もしうまくいっていなかったら、もう一度ファームウェアファイルをドラッグして見てください。
USBケーブルをつなぎ直すと新しいカスタムファームウェアで起動します。
カスタムファームウェアの機能
TS80Pにカスタムファームウェアを導入しました。さあどんな機能があるのでしょうか?
プロジェクトページにある表記を見ると以下のように書いてあります。
- PIDスタイルのアイロン温度制御
- 感度を選択できる自動スリープ
- モーションウェイクサポート
- 直感的なメニューに表示されるすべての設定
- 読みやすさの向上フォント、複数の言語をサポート(日本語も!)
- ハードウェア機能を使用して信頼性を向上させる
- 必要に応じて動き検出を無効にすることができます
- ブーストモードでは、はんだ付け時に一時的に温度を変更できます(つまり、温度を短時間上げる)
- パワーバンクの動作電圧が表示されます
- カスタムブートアップロゴのサポート
- 向きに基づく自動LCD回転
実際に設定メニュー等を見てみましょう。動画で撮影しました。最後に加熱し、ブーストモードも試してみました。
実際に使用してみて一番便利なのが、ブーストモードです。大きい接点など熱量が必要なときにボタンを押している間だけ設定した温度を上限にブースト加熱します。ESCなどに太い電源ケーブルをはんだ付けする時になかなかはんだが溶けてくれない時ってありますよね。こんな時にブーストモードが役立ちます。
なお、メーカーのファームウェア時に設定したスタートアップロゴは消えてしまいますので、ロゴ用のファイルを作成して設定する必要があります。(次の章を参照)
スタートアップロゴの設定
カスタムファームウェアではスタートアップロゴの設定が少し異なります。というかめんどくさいですw
パソコンにPythonがインストールされている必要があります。
専用のPythonスクリプトをダウンロードして、用意した画像を変換します。下記のファイルをダウンロードします。ファイル名を img2ts100.py.txt から img2ts100.py に変更します。
変換に必要なライブラリ、pillowをインストールします。
python3 -m pip install Pillow
画像を変換します。
# 変換する画像 変換後のHEXファイル
python3 img2ts100.py logoin.bmp logoin.hex
作成されたHEXファイルをDFUモードにしたTS80PのUSBドライブにドラッグします。
拡張子hexがrdyになれば完了です。再起動するとスタートアップロゴが表示されます。
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