レビュー:Betafpv Beta85X V2 プッシャータイプのシネフープ パート1

レビュー
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Betafpv の Beta85X V2 は映画を撮るためのマイクロドローンと言ってもいいかもしれません。大きなダンパーにより撮影用のカメラへの振動をシャットアウトし、上下を逆にしたプッシャータイプによりフライト効率を高めた Beta85X V2 のすべてが分かるレビューです。

Beta85X V2 はどんな機体か?

今回はサンプル品をBanggoodさまよりご提供いただきました。

初代 Beta85X と GoPro Naked カメラ

初期バージョンの Beta85X

Betafpv では今までに Beta85X というモーター間85mmのフープ(Whoop)を発売していました。

今年になりGoProの中身を取り出し、必要最低限のメイン基板とカメラモジュールだけで構成する、GoPro Naked カメラが流行り始めました。日本では剥きプロ(むきぷろ)と呼ばれている方法です。

この GoPro Naked をドローンに搭載しやすくした専用のカメラケースとドローンのバッテリーから電源を取るための 専用BECボードを、Betafpv が開発して販売を開始しました。

Beta85Xにも搭載できるようにカメラマウントも販売され、GoPro Naked 搭載機を手軽に構成できるようになりました。

そしてさらに改良を加えて販売されたのが、Beta85X V2 です。

Beta85X V2 はシネマティックな撮影専用機に変身

一目でわかるのがフレームが上下逆になっていること。プッシャータイプになりました。

フレームの上に、防振ダンパーを介してカメラマウントを固定するサブプレートが付きました。

Beta85X V2 は GoPro Lite カメラを搭載するのが当たり前のような構成になっており、すぐに使用することができるように各種設定も済んでいました。

プッシャータイプとは

通常はモーターの上側にプロペラが付き、プロペラで発生した気流は下に(モーター側から見ると引っ張る方向)に流れます。プッシャータイプは、プッシュ(押す)方向に気流が流れます。この場合の押す方向とはモーターから離れる方向であり、フレームを上下逆にしているので気流は下に流れます

通常のフレーム構成だと、プロペラで発生した気流はモーターにあたり、フレームにあたり、場合によっては下に搭載したバッテリーにもあたり、気流は乱れます。プッシャータイプにすると、プロペラで発生した気流を遮るものがなくなります。したがって揚力の発生に無駄が少ない。機体制御の反応が良くなるなどの効果が見込まれます。

Betafpv Beta85X V2 のスペック

製品名:Beta85X V2(Banggoodでの商品名は、Beta85X Flip-chip Version)

機体サイズ:120mm x 120mm モーター間(対角)87mm

FC:F4 2-4S AIO Brushless Flight Controller 12A V2 (BLHeli_S)

  • CPU STM32F411CEU6 (100MHZ )
  • 6軸ジャイロ MPU6000
  • フープサイズ取付穴
  • ファームウェアターゲット名 BETAFPVF411 (BEFH)
  • ブラックボックス 8MB
  • LED、ブザー、電流計

ESC:AIO

  • 許容電流 12A
  • バッテリー 1S~4S
  • バッテリーコネクター XT30(キャパシター付き)
  • BLHeli_S 16.7

モーター:1105 5000KV 2S~4S

FPVカメラ:BETAFPV EOSV2 Camera (NTSC – 4:3 変更不可)

VTX:M02 25-350mW 5.8G VTX、SmartAudioコントロール

プロペラ:Gemfan 2020 4枚羽根 (Banggoodでは EMAX Avan 2インチ4枚羽根と書いてありましたが届いたのはGemfanでした。)

各部品はBetafpvのサイトに詳細が出てます。

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Betafpv Beta85X V2 を見てみましょう

各画像はクリック、タップで拡大できます。

しっかりした紙製の箱にシュリンクラップがしてありました。


中身を出してみます。


左から、機体、予備のプロペラ2ペア、予備のM2ボルト、M2六角レンチ、ミニドライバー、その右側が GoPro Lite ケース、ケースの下がカメラホルダーとBECボード、ケースの右には Insta360 GO 用のホルダー、その下がケースで使用するねじ類です。


GoPro Lite ケース。もはや剥きプロを載せるのが当たり前とばかりに専用のケースが付属している。このケースもV2です。以前のケースは3Dプリンターで出力したものでしたが、V2ケースは射出成型品で、レンズモジュールの保護や、そのままMavic2 ZoomのNDフィルターが使用できるなど改良がされています。もちろん中身の無い空っぽのケースですので、中身は自分で調達しなければなりません。(ドローンより中身の方が高い・・)


GoPro HERO6 のメイン基板とレンズモジュールはGoProをバラして取り出します。(ヤフオクで中古品を落札してバラしました。)

参考写真


GoPro HERO6/7専用のBECボード。GoProのメイン基板にはめ込んで電源を供給したり、録画等のオペレーションができるボタンがあります。このBECボードには2S~4Sのバッテリー電源を接続でき、録画のON/OFFを送信機からBetaflightを介して制御できるようになります。


GoPro Lite V2 ケース用のホルダー。防振フレームに直接ねじ止めをします。カメラのチルト角15度のものが付属しています。Betafpvのサポートページから、チルト角25度用ホルダーの3Dプリンター用データがダウンロードできます。


こちらは、Insta360 GO 用のホルダー。


では機体をぐるっと見ていきます。プッシャータイプがどういう物か分かりますね。


機体の正面。樹脂製のフレームの上にカーボンプレートがあり、さらに防振ダンパーでカメラを搭載するカーボンプレートがあります。


右側面。機体が前屈になってるのはFCカバーのせいで写真の腕が悪いわけではない。たぶん。


後ろから。VTXとアンテナが見えます。このアンテナ(リーフアンテナ)の天頂部分の感度が弱いため、このような横向きは少し心配。


左側面。すでにGoPro Lite カメラ用のケーブルが接続されていました。赤色のケーブルには5Vではなくバッテリーの電圧がそのまま来ています。また黄色のケーブルは GoPro Lite カメラの録画コントロールに使用します。


真上から見たところ。バッテリーは横向きで搭載します。バッテリーストラップの向きがカメラ側に引っ張る方向になっているので、あとで向きを変えました。


Betafpv製 M2 VTX。25mW、100mW、200mW、350mW の出力。SmartAudioコントロール。


モーターは、1105 5000KV で4Sバッテリーが使えます。


FPVカメラは、「EOS V2」 画面の縦横比4:3か 16:9かは変更できません。本家とBanggoodとも購入ページにも選択肢がないです。


FrSkyバージョンを選択したので、XM+レシーバーが接続されていました。レシーバーは固定されていないので、引き出してバインドボタンが押せます。またアンテナ線も固定されてなく単にレシーバーを接続しただけの状態でした。他の機種のようにレシーバー用の細いパイプとかを使用してまとめておいて欲しい所ですね。


下側です。ご覧の通りこちら側にはプロペラが発生した気流を遮るものが一切ありません。プロペラは1.5mmのモーターシャフトに挿しただけでネジ止めはされていません。飛んでいる時はモーター方向に力がかかるので外れることは無いと思いますが。FCのカバーがカメラマウント付きのもので、前バージョンの流用の様です。


真横から見ると、プロペラがダクトからわずかにはみ出ています。こちら側が下になるので、地面と擦れる恐れがあります。なにか着陸脚のような物が欲しいですね。


プロペラは Gemfan 2020 の4枚羽根で中心の穴径は1.5mmです。


FCカバーを外してみました。ブラックボックス用のメモリチップが目立ちます。


撮影用のカメラを載せるプレートは防振ダンパー3個によって支えられています。


GoPro Lite カメラをホルダーに入れて載せると、下側の両サイドが防振ダンパーの上に乗るような形になりカメラを支えていることが分かります。あと、FPVカメラが少し傾いています。柔らか目のTPU素材で出来たカメラホルダーなので歪んでしまったのでしょうか?手で反対方向に何度かねじって直しました。


初期状態で73.3gでした。

初期調整 少し手を加えました


GNB 520mAh HV 4SバッテリーとGoPro Lite カメラを載せてみましたところ。バッテリーストラップはこのように後ろ側に引っ張れるように向きを変えました。レシーバーのアンテナはインシュロックと熱収縮チューブで対角線上に設置しました。


モーターを固定しているネジは各2本しかないのと、ネジのゆるみ止めがしてありませんでしたので(少し緩んでいたネジもあった)ロック剤を付けて締め直しました。


ダクトからプロペラがはみ出ているし、離発着で草刈り状態になりそうですので、少しかさ上げするためにFCカバーを下の写真のような物に交換しました。これはUMMAスタイル用の一部で、下記から3Dプリンター用のデータがダウンロードできます。


外したFCカバーがFC押さえにもなっていましたので、代わりに直接FCをネジ止めしました。直接と言ってもFC自体は防振用ラバーで浮いた状態です。


代わりのFCカバーを取り付けたところ。


ちゃんと浮いています。

以上UNBOX編でした。次回は「パート2 FC設定編」です。

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