昨年登場した小型の送信機 Jumper T-20がフル機能付きでコスパ最強だと思ってましたら、さらに上を行くやつが出ましたよ。Jumper T14というやつが!
T-20とT16の中間のサイズで、そうRadioMaster Boxerに非常によく似た送信機です。そしてJumper T-20の足りないところをすべて補っており、しかもお手頃価格。またExpressLRS機で技適も取得済みなので日本でも安心して使用できます。
Banggoodさんからレビュー品としてご提供いただきましたので、その最強たるゆえんを覗いてみましょう。
Jumper T14 外観チェック
外箱は少々へこんでいたりしますが中身に問題は無し。
外箱のシールに技適番号が印刷されていますが、この番号はT-20の番号で間違いです。
T14の技適番号は、
219-249023 です。
本体に技適マークが無いので、下記画像をダウンロードして印刷・切り取りして貼り付けておきましょう。
付属品
外箱の中には専用のケースと英語マニュアル
ケースにはストラップで止められた送信機が、ケースのフタ側のネットには付属品が入っています。
ジンバルのスティックにはこんなウレタンフォームが保護材として置かれています。
付属品は、ネックストラップ、USB Type-Cケーブル、スティックのテンションを柔らか目にする交換スプリング。
ケースの底面は送信機本体に合わせて整形してあり、ジンバル保護材と共にストラップで固定するとしっかりと収納できており揺れ動きません。
ケースには把手もあります。
スイッチ、アンテナ、ジンバル等
上部のスイッチは、外側2個が2ポジション、内側2個が3ポジションです。T-20の下部にあった6個のモードボタンやスライダーなどはありません。
両肩のスイッチは押しボタン式になっており、左側がオルタネイト式、右側がモーメンタリ式で押している時だけONになります。押し込み量もある程度あるので、指で触ってもONになっていることはすぐ分かります。
T-20と同じくアンテナは折り畳みタイプなので収納が楽です。
機体のアンテナ方向に合わせて垂直偏波に対応することも可能。
ジンバルはT-20と全く同じです。センサーがRD90タイプ(T-20の記事参照)ではないので部品のメッキが施されていません。いかにもプラスチックって感じで安っぽいですね。メッキだけでこんなにも違うのかと思いました。
T-20のジンバル周りにあった全周の盛り上がりは高さがわずかになっておりピンチャーでも引っ掛かりません。T-20ではあとからフラットな交換用のパネルを発売したくらいだから、後発のT14は当然改良されていますね。
本体上部には3.5㎜トレーナージャック、USB Type-Cコネクターがあり、真ん中にはファームウエア更新時にDFUモードにするための押しボタンがあります。バッテリーの充電はこのUSB Type-Cから行います。T-20で不評だった充電スピードはUPしており5V 2A(10W)で充電できます。
T-20と並べてみました。横幅は同じで高さだけ違います。
本体の色はT-20 より少し青みが強い感じです。
T-20は本体を立てて置くことができませんでしたが、T14では底部にリブが入っており立てることができます。
本体裏側
T-20では取付穴だけあった折り畳みハンドルは標準装備されています。
ハンドルを一番上まで開いたところ。
背面にはT-20にはなかった、標準JRベイ、クーリングファンがあります。またバッテリー収納部のフタがT-20ではすごくスライドさせにくかったのですが、T14では2か所のラッチを押し込みやすくして改良されています。
CANNONというロゴはなんでしょう?
クーリングファンはExpressLRSのPOWER設定で、ファンが稼働する閾値を設定できます。稼働中でも耳障りな音ではないので気になりませんでした。
バッテリーケース
バッテリーケースはT-20と同じもので、リチウムイオン電池の21700サイズが使用できます。また金属の爪を少し引き出せば18650サイズも使用できます。
バッテリーケースは2S用のバランスケーブルのコネクターと同じですので2Sバッテリーも使用できます。バッテリーケースを外すとクロック保持用のボタン電池が交換できるようになっています。
バッテリー室の両サイドにはバッテリーケースがガタつかないようにウレタンスポンジが接着されています。
リチウムイオン電池21700を使用したときにネックストラップで吊るすと水平になります。
バッテリー無しで重量は490g。公称スペックより20g重い。
スティック
スティックエンドは従来からJumperで採用されてきたタイプになっています。
長さの調整も従来と同じダブルナット式。軸の直径は3mmです。T-20も3mmでしたが曲げてしまう方も見えたので強度が気になるところ・・・
スティックの可動範囲はT-20と同じやり方です。
スティックの可動範囲の調整はこちらを参照
過去最高にすごく持ちやすい
T-20より両サイドの握り部分のふくらみが5mmくらい厚くなっています。しかし握り部分の幅ががT-20より狭いので逆に持ちやすく感じます。
送信機をネックストラップで吊るし、両手で抱えるとおなかのところに来ますが、T-20の場合は本体の底面をおなかにくっつけると手のひらが窮屈に感じます。T14では写真のようにジンバルから底面までの距離がありますので、おなかにくっつけても窮屈に感じませんでした。
こちらはフルサイズのTX16との大きさ比較。
T14は両手で左右から持つとすごく手になじみます。日本人の手の大きさにあっているのもあるのでしょうが、本体の形状が工夫してあり手のひらで包み込むような感じになります。
工夫の一つが、両サイドの下部にあるへこみ部分です。(下記写真の緑枠部分)このへこみ部分に親指の腹(付け根のふっくらした所)がくるので、親指がよりスティックに近づきます。
さら下写真のように裏面の握り部分の上部がカットしてあり、親指だけでスティックを操作するサムナーはここに中指が置けてしっかりホールドできます。ピンチャーは薬指を置くことになります。
本体形状の工夫でサムナーの場合はスティックを操作する親指以外はピッタリと本体に密着します。両手で包み込むような感じになり、ホールド感は最高です。
ピンチャーの場合は中指が少し本体から浮く形になります。
身近でT14を触れる機会があればぜひ持ってみてください。
内部も進化している
ではケースを開けて中も確認していきます。T-20では合計10本のねじを外す必要がありましたが、T14はわずか4本です。なんかこれだけでもすごく進化してる!と思ってしまいました。(めんどくさがり屋なのでw)
しかもグリップ部分のすべり止めを外す必要はありません。(バッテリーケースは外してください。)
表と裏のパネルを接続するケーブルは2本です。これもT-20より減って楽できますw
裏側パネルには送信モジュールとJRベイ用の小さな基盤のみ。またアンテナもT-20より改良され裏側パネルにありますのでコネクターを外す必要はありません。
送信モジュールはよく見ると、T-20-ELRS-1W-V2.2 と記載されています。
またTCXOの記載は温度補償型水晶発振器のことで、温度が変化しても周波数のドリフトが起きないため、周波数のずれによるバインド切れを防ぎます。
内部はT-20と比べると部品点数が大きく減っています。パネル交換のとき楽ですね。
使用しているMCUはSTM32F407
スロットルの摺動部にはシリコングリスが塗布してありました。
よく見たらテンションスプリングにもシリコングリスが・・・
頻繁に本体の中にアクセスするわけではありませんが、T-20と比べると格段にアクセスしやすくなっています。こんなところも進化しているんですね。
さあ透明パネルに交換してLEDピカピカさせましょう!
オプションの交換スイッチ
両肩のスイッチは押しボタン式なので、通常のレバー式のほうが良いという方用に別売りで交換用スイッチが販売されています。ただし2個とも2ポジションのオルタネイト式で、倒している時だけONになるモーメンタリ式ではありません。
ネジを2本外すだけで交換できます。
交換するとこんな感じ。本体の外側を覆う形になります。ちょっとカッコ悪そうですね。
当初はレバー式に交換しようと思っていましたが、ボタン式が思ったより押しやすかったのと、プレアーム用にモーメンタリ式が欲しかったがなかったのと、交換後外側にはみ出すのがカッコ悪いかったので止めましたw
ファームウェア
ファームウェアはEdge-TXです。T-20 と同じくベータ版の2.10がインストールされています。
送信モジュールの ExpressLRSのバージョンは 3.3.1 なので現在は更新する必要はありません。
注:バージョン2系統の受信機を使用する時は受信機のファームウェアを3.0以上にする必要があります。
Jumper T14の評価
ここまでJumper T14を見てきました。ここでT14の評価をまとめてみましょう。
★★★★★ 5.0
今までT-20が最高だ!と思っていた私の考えをドカーン!とひっくり返されました。一言でいうと、
コストパフォーマンス最高!!
です。
買いましょうw
また身近に所有者がおられましたら一度持たせていただきましょう。サムナーならそのホールド感にビックリすると思います。ピンチャー(私も)でもホールド感ばっちりです。
ただし、スイッチが少ないので飛行機で使用する時に物足りないかもしれません。マルチコプター用なら問題なし。
もっと参考になるように買うべき理由と買わない理由を箇条書きで書き出してみました。
T14を買う理由
- 技適認証取得済み
- ExpressLRS内臓
- 安い
- 大きさが日本人の手のサイズに合っている
- 本体のホールド感がすごい
- 大容量のリチウムイオン電池21700が使用できる
以下はT-20より進化した所です。
- ジンバル周りのふくらみが無い
- OLEDディスプレイが大きくて見やすい
- 肩の押しボタンが使いやすくなった
- 交換用のオプションスイッチが用意されている
- 充電スピードが速くなった
- JRベイがあるので他のプロトコルが使用できる
- クーリングファンで過熱防止
- 折り畳みハンドル標準装備
- バッテリー室のフタが開けやすくなった
- 本体が立つ
- ネックストラップを使用したときにバランスが取れている
- おなかにくっつけて持っても手が窮屈にならない
- 専用ケースが付属している
- ばらすのが容易なのでケース交換しやすい
T14を買わない理由
- 見た目が安っぽい
- スイッチが少ない
- スライダーがない
- ディスプレイが白黒でタッチタイプでもない
- スティックの軸が3mmと細い
- 色が気に入らない
- 手が大きい自分には小さすぎる
- 家にプロポがありすぎておなかいっぱい