史上最強のRCプロトコルであるExpressLRSがいよいよ日本でも使用できるようになりました。送信モジュールの技適取得品が流通するようになったからです。しかしExpressLRSはテレメトリーをサポートしており、受信機のほとんどがWiFiを搭載していますが、技適を取得した受信機製品はありません。
ExpressLRSの受信機をこのまま使っていいのでしょうか?
この記事ではExpressLRSの受信機で電波を出さずに合法的に使用する方法として、WiFiを自動起動しないようにし、テレメトリーを無効にする方法を解説します。
なお、ExpressLRSの導入ガイドはこちらの記事を参考にしてください。
この記事ではBetaFPV製のnano ELRS送信モジュールを例にしています。
WiFiの電波を出さないようにする
ExpressLRSの受信機のほとんどがWiFiを搭載しており、WiFi経由でファームウェアのアップデートが行えるようになっています。つまりWiFiの電波を発信する場合があります。
技適が無い機器は電波を発信してはいけませんので、このWiFiを使用するわけにはいけません。
ExpressLRSの受信機は起動してから一定時間が経つとWiFiがONになるようになっています。初期設定では20秒です。つまり受信機に通電してから20秒以内に送信機とバインドされないとWiFiモードになるわけです。そこでこの自動でWiFiがONになるのを止めます。
ExpressLRS Configuratorのファームウェアオプションで、Networkセクションのチェックを全て外します。
BUILD & FLASH をクリックしてファームウェアを書き込めば完了です。
テレメトリーの電波を出さないようにする
ExpressLRSの受信機はデフォルトでテレメトリーを送信機まで送ってきます。つまり電波が出ていますのでコレも止めることになります。
送信機にインストールしたExpressLRS luaスクリプトを使用します。SYSボタンを押してTOOLS画面を表示します。ExpressLRS を選択してEnterを押します。
Telem Raito の数字部分を選択してEnterを押すと変更できますので、off を選択してからEnterを押します。これで次回に受信機とバインドした時にテレメトリーを送信しない設定が送られます。
以上で受信機から一切の電波を出さないように出来ました。
ただし、WiFiは自動でONにならないだけで、手動でONにすることは出来ます。
上図のWiFi Connectivity で Enable RX WiFi で有効にしないで下さい。 触らなければ問題ありません。
テレメトリーを使用しないのでFCの負荷軽減のためにBetaflightのテレメトリーもOFFにしておくといいでしょう。
以上ですべて完了です。
フタバ送信機では注意が必要
一部のフタバ送信機ではクロスファイヤープロトコルが使用できますので、ExplessLRSが使用できます。しかしフタバの送信機ではOpen-TXで使用しているluaスクリプトを実行できません。したがってテレメトリーをOFFにすることができません。
テレメトリーをOFFに出来ないと技適の無い受信機は使用できなくなります。
解決方法は、Open-TX または EdgeTX の送信機でテレメトリーをOFFに設定してから、フタバの送信機で使用することになります。
Open-TXのluaスクリプトで設定した内容は送信モジュールに記憶されており、次回受信機とバインドした時に設定内容が送信されます。
Open-TXの送信機で設定できない方は、ヘリモンスターさんでBetafpv nano TXを購入時に、備考欄で「テレメトリーをOFFにして欲しい」と記入すると、代わりに設定を行ってから発送してくれるようです。
または、送信モジュールにluaスクリプトが組み込まれた製品を使用することです。
これで史上最強RCプロトコルExpressLRSを思う存分楽しめますね。Happy flying!!
更新履歴:
2022年1月25日 ヘリモンスターさんでの代行設定について追記
2022年1月22日 『フタバ送信機では注意が必要』を追記