[図解] Betaflight 設定 : ダイナミックアイドル導入でパフォーマンスUP!

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Betaflight のダイナミックアイドル機体のパフォーマンスを向上させます。アイドルとはモーターのアイドル回転数の事です。この記事ではダイナミックアイドルの利点や設定方法を解説していきます。

どうやら日本ではBetaflight のダイナミックアイドルを使用している方が多くないようです。海外ではRPMフィルターとダイナミックアイドルはセットで設定する方が多いようです。ダイナミックアイドルはすごく良い機能なのに使用していないなんてもったいないです。あなたもぜひ設定しましょう!

ダイナミックアイドルは一言で言うと、「モーター回転数を動的に管理することによって今まで以上に低回転に出来る機能」です。

え?低回転?なんで低回転が必要なの?

と思いますよね。これにはちゃんと訳があるんです。

ダイナミックアイドルとは

はじめに機体制御のお話です。難しくないです。簡単です。ドローン検定12級くらいです。

レーシングドローンの機体制御

ここではクワッドコプター(モーター4個=プロペラ4枚)で説明しています。

機体は4個のモーターが協調して回転数を変更することによって、プロペラが作り出す推力が機体をコントロールします。

機体を前に傾けるには、前側2個のモーターより、後ろ側2個のモーターの回転数を上げることにより、前後のモーター間で推力の差が出来て傾きます。

また横に傾ける時も同じように、モーター間の回転数の差(推力の差)によって傾きます。

左右のモーターが同じ量だけ変化すると、その中心を軸として回転します。(重力を考慮しない場合)


水平面上で回転する時は、機体中心を挟んで対角線にある2個のモーターと、その対になっている2個のモーターの回転数を変化させると、回転に伴う反動(半トルク)が変化し、機体自体が回転します。

これらのモーターの回転数を制御するのは人間ではとてもできませんから、フライトコントローラー(以下FC)が瞬時に制御することによって、機体は自由にその姿勢を変えることが出来ます。

もし回転数がそれ以上落とせなかったら?

強力なモーターやプロペラ、あるいは高い電圧を使用することによって、発生する推力を高めることは出来ます。

しかし、推力を弱めるにはあるところで限界が来ます。それが最低回転数です。

(モーターを逆回転にする。あるいはヘリコプターのようにプロペラのピッチを逆にできる。等はここでは除外します。)

たとえば、高速でフリップしようとした時、片側のモーター2個は最高回転数まで上がります。しかし反対側のモーター2個は最低回転数以下にはできませんので、高速フリップはそれ以上速くできません。

そして、片側だけに大きな推力が発生するので、その場で回転せずに、横や上方向へなど余分な移動も伴ってしまいます。

片側だけの推力だと機体の中心を軸にして回転ができない。

最低回転数とは

モーターを極端に低回転にするとギクシャクしてうまく回らなくなってきます。その状態ではすぐに高回転に出来ないので、最低回転数を設定します。Betaflight Configuratorの「モーターアイドルスロット値」がそれです。最低回転数は機体を制御するために必要な回転数とマージン(余裕)です。

この数値はスロットルのパーセントで回転数ではありません。実際の回転数はモーターにより違います。

最低回転数による弊害

ここでフリースタイルフライトで、上空で背面になった時を想像してください。

背面になると、モーターが回転して作られる推力は地面ではなく上空に向けられます。つまりより早く落ちるように推力が働きます。スロットルを完全に0にしても最低回転数でモーターは推力を作り続けています。(赤矢印は推力)

しかもこの背面状態で降下すると、空気が機体上面(背面状態では下側)から流入して、それによりプロペラが回転しやすくなり、あるいは加速され、より回転数が上がってしまいます。つまりより早く落ちることになります。


今度はレースでグラビティゲートへ上から進入する時を想像します。はやく降下するためには推力を出来るだけ小さくして落とすしかありません。しかし最低回転数でモーター・プロペラは回っていますので推力が発生し、自然落下速度より遅く落ちます

また前述のフリップ時にある速度以上では回転できない事や、回転軸がズレてしまう事も弊害です。

最低回転数をもっと下げる

最低回転数は、モーターが正常に回転してくれれば出来るだけ低い方がいい事は、今までの説明で想像できると思います。では最低回転数はいくつに設定すればいいのでしょうか?

Betaflight Configuratorのモータータブで、プロペラを外してモーターだけを回転させれば正常に回転するスロット値、またはRPMが分かります。

しかし、実際のフライトでは、プロペラに流入する空気の流れや電圧の変動などによりバラツキが出ます。したがってかなり大きな値が最低回転数に設定されています。Betaflight のデフォルトはスロットの5.5%です。

この5.5%ももっと下げることが出来たらさらに機体が扱いやすくなるのに・・・

しかし下げ過ぎるとモーターがうまく回らなかったり(モーターの非同期)して危険です。

そこで考え出されたのがダイナミックアイドルです。

ダイナミックアイドルで危険を回避

ダイナミックアイドルは現在モーターが回転している速度(RPM)を取得し、モーターの非同期が発生していないか監視しつつ、必要な場面ではモーターの回転数を最低回転数よりさらに低く制御します。

つまりリアルタイムで回転数を監視することによって危険を回避します

Betaflight で設定した最低回転数は、マージンも含んでいました。このマージンはプロペラに流入する気流等により危険な回転数にならないように余裕を持たせるためです。

ダイナミックアイドルがリアルタイムで回転数を制御することでこのマージンを少なくすることが出来るのです。

前述の最低回転数の弊害はダイナミックアイドルにより緩和することが出来ることになります。もちろんモーター・プロペラは回転しているので0にはできません。しかし、いつでもモーターが高速回転に移行できるだけの回転数であり、機体を制御できるだけの推力を発生させることが出来る回転数を維持しながら、出来るだけ低い回転数にすることが出来るのです。

ダイナミックアイドルの恩恵

ダイナミックアイドルによる恩恵はすぐに想像できる場面として以下のようなものがあります。

  • モーターが非同期になりにくくなる。
  • 最低回転数のマージンを減らせるので消費電力の削減になる。(ちょびっと・・)
  • 水平降下時の速度が増し安定性もある。
  • 水平降下時に気流の逆流で回転数が落ちすぎないためスロットルUPの応答性が良くなる。
  • 高速フリップ時に軸の安定性が増す。
  • モーターのブレーキが強くかかるのでフリップの停止が正確になる。
  • 背面中の落下速度が低くなる(滞空時間が長い)
  • 背面中のヨー操作(Inverted Yaw Spin)で落下速度の加速が抑えられる。
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ダイナミックアイドルを設定する

ではここからは実際にダイナミックアイドルを設定していきましょう。

ダイナミックアイドルを使用する条件

Betaflight のデフォルトではダイナミックアイドルは無効になっています。ダイナミックアイドルを使用するにあたってどうしても必要な機能があります。それは、

DSHOTテレメトリーが必要です。

DSHOTテレメトリーRPMフィルターで使用する機能でしたね。双方向DSHOTと呼んでいました。


ダイナミックアイドルはリアルタイムで現在回転中のモーターの回転数を取得する必要があります。それを実現するのがDSHOTテレメトリーです。これはRPMフィルターと同じです。

つまり、ダイナミックアイドルを使用するにはDSHOTテレメトリーが取得できるESCファームウエアが必要です。すでにRPMフィルターを使用しているならば今すぐダイナミックアイドルを使用できます。

DSHOTテレメトリー対応のESCファームウェアは以下の記事でも解説しています。

BLHeli_32対応の最新ファームウエアはそのまま使用できます。

反対にダイナミックアイドルを使用すると出来ないことがあります。

  • 3Dフライトに対応していません。(日本でやってる方いるのかしら?)
  • 一時的なスロットル制限を無効する必要があります。set transient_throttle_limit = 0

ダイナミックアイドルの設定値

ダイナミックアイドルの設定値(最小RPM)を見つけます。これはモーターの種類ごとに違います。

1、実際にモーターを回転させるのでプロペラをすべて外します

2、Betaflight Configuratorの「基本設定」タブで、モーターアイドルスロットル値をメモします。

3、Betaflight Configuratorの「モーター」タブを開きます。

4、プロペラを外していることを確認しててバッテリーを接続し、スイッチを有効にします。

5、スライダーを動かしてモーター回転させます。キーボードの上向き矢印で少しずつ移動できます。

6、先ほどメモしたモーターアイドルスロットル値にします。
  先ほどの例では5.5%でしたので、1055の値までスライダーを上げます。

7、その時のRPMをメモします。各モーターでバラツキがあれば一番大きい数値をメモします。

8、モーターを止めます。メモしたRPMを100で割り0.8を掛けます
  RPMが2800なら100で割ると28になり、0.8をかけると22.4になるので、繰り上げて23

9、「PIDチューニング」タブの「動的アイドル値[*100RPM]」に上で計算した数値を入力します。
  この例では23

10、設定を保存して終了です。

以上でダイナミックアイドルが設定されました。モーターがここで入力したRPM以下にならないようにDSHOTテレメトリーを使用して管理されます。

以下の動画は、モーター停止時から、非同期状態を経て、正常回転になり、モーターアイドルスロットル値まで回転数を上げていった様子です。

この動画を見ると、「モーターアイドルスロットル値」自体をもう少し下げてもよさそうです。この数値を下げる時は、前述の手順でもう一度RPMを確認して算出する必要があります。

適正なダイナミックアイドルのRPMはフライト方法やモーターなどにより違います。チューニングするには、Betaflight Wikiのダイナミックアイドルのページに目を通しておいた方がいいでしょう。

まとめ

ダイナミックアイドルはとくにフリースタイルのパイロットに有効でしょう。Inverted Yaw Spin で落下が早くなるのが抑えられるのは魅力ですよね。レースでも高速Yawターンをした時に浮きすぎないのもいいかもしれません。

DSHOTテレメトリーが使用できるようになり、モーターRPMが所得できてクローズドループ制御できるようになった恩恵は大きいですね。

あまり大きく最低RPMを下げ過ぎなければマイナス要素はありませんのでDSHOTテレメトリーが使用できるならダイナミックアイドルもぜひ設定しておきたい機能です。

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